兄弟で相続した家の工事が止まるところ
親から受け継いだ家を、兄弟など複数の相続人で持っている。
塀が傷んできた、門扉が重くなった、駐車場を整えたい。
手を入れたいという点では全員が同じなのに、話が先へ進まないことがあります。
止まっているのは、工事の中身より手前の段階であることが多いです。
誰が業者に連絡するのか。
見積もりは誰の名前で取るのか。
最後に書面へ名前を書くのは誰か。
この3つが決まっていないと、長男が取った見積もりを次男が見て別の案を出し、妹は別の日に別の業者を呼ぶ、という形になりがちです。
業者の側から見ると、同じ敷地について要望の違う依頼が別々に届くため、どれを基準に図面を描けばよいのかが分からなくなります。
この記事では、その手前の部分だけを扱います。
契約書に名前を書く人と、業者とのやり取りを受け持つ人を、どう決めるかという話です。
工事の契約書には「注文する人」の名前が入る
外構工事は、業者が工事を完成させることを約束し、頼んだ側がその代金を払う約束をする契約です。
この形を請負契約(うけおいけいやく)と呼びます。
建設業法の第19条は、請負契約を結ぶとき、工事の内容、代金の額、工事を始める時期と終わる時期、代金を支払う時期と方法などを書面に書き、双方が署名または記名押印して互いに渡すことを定めています。
私たちも、ご契約の前に金額と支払う時期を書面でお示しします。
口頭のまま工事を始めることはしません。
ここで問題になるのが、その書面の注文者の欄です。
注文者とは、工事を頼み、代金を払う約束をする側のことです。
書面を作る以上、この欄には誰かの名前が入ります。
兄弟のうち1人にするのか、全員の名前を並べるのか。
これは業者の側で決めることではないので、ご家族の中で話がついていないと、見積もりまでは進んでも契約の段で止まります。
なお、家や土地の登記がどなたの名義になっているか、共有している家に手を入れるときに誰の同意が要るかといった点は、私たちの側では判断しません。
気になる場合は、工事の相談と並行して司法書士などの専門家に確かめておくと、契約の段で慌てずに済むかと思います。
注文者と窓口は、別の人でもかまわない
書面に名前を書く人と、業者と連絡を取る人は、同じでなくてかまいません。
分けて考えると決めやすくなることがあります。
たとえば、実家の近くに住んでいるのは次男で、費用を取りまとめているのは長男、という家族もあるでしょう。
現地調査に立ち会い、敷地の写真を送り、日程を合わせる役は、近くにいる人のほうが向いています。
一方で、書面に名前を書いて支払いの責任を持つ役は、費用を預かっている人が受け持つほうが話が早いことが多いです。
大事なのは、それぞれを1人に絞ることです。
窓口が2人いると、片方に伝えた変更がもう片方に届かず、業者は古い内容のまま図面や見積もりを直すことになります。
工事が始まってから「その色は聞いていない」「その範囲までは頼んでいない」というずれが出るのは、たいていこの伝達の途中です。
窓口を1人にしても、ほかの兄弟が意見を言えなくなるわけではありません。
意見はいったん窓口に集め、業者には窓口から1本にまとめて届ける。
この流れにしておけば、受け取る側も迷わずに済みます。
川口の外構工事を頼む前に、兄弟の間で決めておく4つ
川口市やその周辺にある実家の外構を見直す場合も、業者に連絡する前に兄弟の間で決めておきたいのは次の4つです。
- 注文者(書面に名前を書く人)を誰にするか
- 窓口(業者とやり取りする人)を誰にするか
- 今回手を入れる範囲
- 窓口がひとりで決めてよいことと、全員に戻して決めることの境目
1と2は前の章で書いたとおりです。
3の範囲は、全員の希望をすべて並べると話がまとまりにくくなります。
「今回は道路側の塀だけ」「駐車場の部分だけ」のように線を引いて、その内側だけを先に決め、残りはそのとき改めて相談する、という分け方もできます。
あとから工事を足す可能性があるなら、その旨を最初に伝えておけば、いま作るものが後の工事の邪魔にならない形になっているかをこちらで確かめます。
4は見落とされやすいところです。
現地調査のあと、柱の位置や部材の色、着工日の候補など、細かい決めごとが何度か出てきます。
そのたびに全員の返事を待つと、日程が組めなくなります。
逆に、窓口がすべてを決めてしまうと、あとから不満が出ます。
「色や日程は窓口が決める」「範囲や金額が変わるときは全員に戻す」のように、境目をあらかじめ言葉にしておくと、窓口の人も動きやすくなるかと思います。
支払いについては、私たちの側の条件は現在整理中で、決まりしだいサイトのよくある質問に書きます。
どの時点でいくら払うかは書面でお示しするので、兄弟の間では「誰の口座から払うか」「立て替えた分をあとでどう分けるか」を、書面を受け取る前に話しておくと揉めにくくなります。
今日やること:4つを1枚のメモにして全員に回す
今日できることは、上の4つを1枚のメモに書き、兄弟全員に回すことです。
紙でも、家族のグループのメッセージでもかまいません。
書く内容は短くて足ります。
- 注文者:(名前)
- 窓口:(名前)
- 今回の範囲:道路側の塀と門まわり、など
- 窓口が決めてよいこと:色・日程/全員に戻すこと:範囲・金額
回したら、全員から「これでいい」という返事をもらっておきます。
返事がそろわない項目があれば、そこがまだ決まっていない部分です。
どこで止まっているかが見えるだけでも、話し合う順番が立てやすくなります。
このメモの中身が最初の連絡の時点で分かっていれば、見積書や書面の宛名を誰にするか、写真や日程の連絡を誰とやり取りするかを、はじめから揃えた状態で進められます。
この記事に関するよくあるご質問
- 兄弟で相続した家の外構工事は、誰の名前で契約すればよいですか
- 誰を注文者にするかは、ご家族の間で決めていただくことで、こちらから指定はしません。
登記の名義や、共有している家に手を入れるときに誰の同意が要るかは私たちの側では判断しないため、気になる場合は司法書士などの専門家に確かめてください。 - 契約書に名前を書く人と、業者と連絡を取る人は別でもよいですか
- 別の人でもかまいません。
大事なのは、それぞれを1人に絞ることです。
窓口が2人いると変更が伝わらず、古い内容のまま見積もりを直すことになります。 - 支払いの条件はいつ分かりますか
- 支払いの条件は現在整理中です。
ご契約の前には、金額と支払う時期を書面でお示しします。
口頭のまま工事を始めることはしません。